そんなことを思ったって、どうしようもないのに。
好きだから、落ち込むだけなのに。
どうしても考えてしまう。
「兄さん?早く乗れよー」
いつの間にか順番が来てたみたい。
俺は急いで乗り込んだ。
ジェットコースターはめちゃくちゃ楽しくて、
降りた後は3人ともおおはしゃぎで。
「あ、ちょっとトイレいってくるね!ごめん」
そう言って走っていった河原。
「なぁ、兄さん」
走っていく河原の後ろ姿を見ていた俺に、陵真は呟くように言った。
「ん?」
そう言いながら陵真を見ると……なんだか真剣な顔をした陵真がいて。
「兄さん、鈴花さんのこと……好きなんだろ?」
「っ……!」
な、なんで……。
「なんでって思っただろ?結構わかりやすいよ。
伊達に兄さんの弟してる訳じゃないしね。
ま、鈴花さんは絶対気づいてないけど。」
気づいてなんてない。そう思ってた。
まさか気づかれてた、なんてな……。
でも……………
「そう言うお前も、河原が好きだろ?」
「え……」
「こっちだって、伊達に陵真の兄貴やってる訳じゃないんだよ」

