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今は学校近くのファミレスにいる。

もちろん、それは体育祭の打ち上げで。




「河原、リレーの時はごめんな…?」




そう声をかけてきたのは…リレーで私の前に走った高原くんだった。

たぶん、転けちゃった事を言ってるんだと思う。




「そんなの、全然大丈夫だよ!
っていうか…あれ、高原くん押されてた……よね…?」



そう言うと、少し驚いた顔をして、



「……気づいてたんだ…」

って呟いた高原くん。



「ちょうど見えて……。
それでも、高原くんが最後まで頑張って走りきってくれたから私は抜かすことができたんだよ!

だから謝る必要なんてないんだからね!!」




そう言うと、一瞬目を見開いて、すぐに笑顔に変わった。





「……ありがとな、河原」


「いえいえ、どういたしまして」