そして……私の番まであと1人になった。
私の前の人は高原くんって言って、高原くんもものすごく速い。
あとちょっと………。
「あ!!!」
高原くんが転けちゃった…!
っていうか……高原くん、押されてたよね……?
その間に抜かされて…4位。
それでも…必死に走ってきた高原くん。
バトンをもらうとき、
「ごめん!!」
って高原くんが言った。
それに応えるようにニコッと笑い、勢いよく走りだす。
大丈夫。この距離なら……抜ける!!
そう思って思いっきり走る。
まず1人…抜けた!
もう1人にどんどん近づいていく。
あとちょっと………
ぬ、抜いた!!!!!
そのまま走って、少しずつだけど1位との差を縮めていく。
そこで…山宮くんにバトンタッチ……。
バトンを渡す瞬間……
「任せとけ」
と山宮くんは呟いた。

