「俺、この花に助けられたんですよ」
「……え?」
私があげたしおりの押し花なんかに…助けられた…!?
「俺、暗くて誰もいないようなところをさ迷ってたんです。
でも、1輪の花を見つけて。
その花を持った瞬間、周りが明るくなって。
気づいたらここにいたんです。
その、見つけた花っていうのが、この花だったんですよ」
そんな……
「だから、ほんとに感謝してるんです。
ありがとうございました!」
「そ、そんな大層なことはしてないよ!」
「いえ、ほんとに助かったんですよ」
こんなしおりの押し花なんかでそんなに……。
「ふふ。そんなに言ってくれるほどなら……このしおり、あげてよかった…」
そうしおりを持って言う。