次の日。
俺はいつもより早く学校に来ていた。
河原に、「陵真の病院に一緒に行ってほしい」と頼むためだ。
別にもうちょっと遅くても大丈夫なんだけど、
なぜかそわそわして落ち着かなかったんだ。
すると河原が教室に入ってきた。
河原は席に着き、
「山宮くんおはよ」
そう、ニコッと笑いながら言った。
ドキッ
そう俺の胸がなった。
俺は必死に平常心を装い、
「おはよ。
あのさ、今日弟の病院に一緒に行ってくれないか?
弟が会いたいそうなんだ」
「へ?私に?」
「そう。理由は……本人に聞いて」
なんとなく、陵真は目覚めたときのことを話すと思ったから、
あえて言わないでおいた。