陵真が、陵真が意識を取り戻したんだ。
河原、お前の言った通り父さんは俺に微笑みかけてくれてたのかな?
そうなんだとしたら………
ありがとう、父さん。
陵真を助けてくれて、ありがとう……。
陵真の担当の先生は、陵真の意識をちゃんと確認して、
「もう大丈夫そうですね」
そう言った。
俺は心の底からホッとした。
そんなとき、母さんが病室に入ってきた。
「陵真……。陵真!」
そう言ってベッドに駆け寄った。
「…母さん……もう大丈夫だよ」
陵真はそう言った。
そう言って笑えるほど、意識はちゃんとしていた。

