俺と君との境界線

「ちぇっ。こんな作文すぐ終わるってーの。
みんな俺の国語の良さを知らねぇんだから」

昔から国語は得意だったし、毎日作文ばっか書いてると嫌でも文章力がついてくる

「あいつもいろいろ頑張ってんだなぁ~。まぁそこに惚れたんだけどねっ・・」

あれは3ヶ月前くらいの新しい生徒会長を決める日。

そん時俺は生徒会長が誰になろうとどうでもよくて適当に演説を聞いてた。
そして、最後の演説。三戸瀬さんの番で

「あたしが生徒会長になったら、あいさつをきちんとする、遅刻をしないなど、当たり前のことを当たり前にできる学校にしていきたいです!」

俺はハッとした。
緊張した感じも見せないで堂々としている。
今までの奴とは何かが違ってた。

それであいつは生徒会長になって、演説どおり毎朝校門に立ってあいさつしたり、
遅刻者を注意したりして頑張ってた。
そして俺は、自分にない何かを持ってるあいつに惹かれていった。


ヴゥーヴゥー
携帯が鳴ってると思い
ディスプレイを見ると見慣れた名前。
俺は慌てることもなく電話に出た。

「もしもし?」

「龍!お前また捕まってんの?」

声の正体は浦 和輝。
俺のダチで一番信用できる奴。

「おぅ!もちろん」

俺が当たり前のように返事をすると
めっちゃ呆れた声で返ってきた。

「やっぱり・・なるべく早く帰ってこいよ」

「一時間目の休みには戻ってくっから。じゃあなっ」

俺は電話をきって
さっきまで回してたペンを取って作文を書き始めた。