それから萌と色々な話をして、一時間くらい話してから電話を切った。なんだかとてもスッキリとした気分だった。
「あれ、ランプ光ってる…」
萌との電話を切った後、チカチカと光る不在着信のランプの存在に気付く。不思議に思って着信履歴を見ようと画面を操作すると、
ーーーー…♪♪♪♪
再び鳴りだす着信音。
「え?」
電話の相手を見たあたしは、ついつい声を漏らしてしまう。
急いで通話ボタンをタッチして、スマホを耳元にあてる。電話の相手を見てこんなに動揺したのはいつぶりだろうか。
『…ねぇ、』
もしもし、の一言も無く、いきなり話し出す電話主。
『あいつらに何かされたら、ちゃんと言って。』
彼はとても冷淡で、綾音さんにしか心を開いてくれなくて、いつも自分と他人を離して物事を考える。
『彼女の悪口書かれんの、ムカつくんだよね。』
ーーーなんて、全部全部。誰かが判断した彼の一部に過ぎない。
『彼女なんだから、頼りなよ。』
本当はすごく優しくて、そんな優しい彼を何かが変えてしまっただけなんだ。
『愛理の彼氏は俺でしょ?』
二番目とか、一番目とかじゃない。恭は本当は、誰よりも誰よりも優しい人なんだ。

