オレンジ色の恋

そのまま時間が流れる……




乃愛の体温が、鼓動が、全て俺に伝わる




すると落ち着いた乃愛がその姿勢のまま口を開いた




「悠くん…私ね?悠くんのコトまだ好きだよ」




……乃愛




もう、その言葉が聞けるだけでいい





「俺もだよ…」




そして乃愛を腕から解放し、流れ続けている涙を袖で拭う




「私ね…ずっと後悔してたの。もっと悠くんの事を信じられたらって。別れたら楽になれるかと思ったのに、別れてから毎日辛くて…。ずっと、悠くんに会いたくて」




まだまだ流れる涙を、俺は拭い続ける




「俺も何もする気がなくて…乃愛がいないと、ただ辛いだけだった」




乃愛が潤った瞳で俺を見る




「乃愛……好きだよ」




そして、俺は乃愛にキスをした




俺と乃愛の……初めてのキス




ファーストキス