「はやく行こっ、栗原くん! 転向初日に授業に遅刻しちゃだめだよ!」 教室から連れ出したときのように、あわてて栗原くんの腕をつかんだ。 そして、来た道をもどろうとしたとき。 栗原くんの腕をつかんでいた手をまたつかまれ、ぐいっと強く引っ張られた。 「わ、わああっ!」 こ、ころぶ! そう思ったけど、もう一方の栗原くんの腕がのびてきて、支えるように私の腰にまわった。 転ばずにすみ、ほっとした私の顔を、ほほ笑んだ栗原くんがのぞきこんでくる。 「心愛ちゃん、大丈夫?」