「どうしてだめなの?」 「ど、どうしてって! ……だって、栗原くんは……っ」 ――キーンコーン…… 男の子だもん! そう続こうとした言葉は、鳴り響いた鐘によってさえぎられた。 その瞬間、私は大事なことを思い出す。 「本鈴鳴ったね」 「どっ……ど、どうしよう! はやく教室帰らなくちゃ!」 さっきまでは、10分ほどしかない授業の合間の休み時間で。 お昼休みのときのように、予鈴なんて鳴ってくれない。 ち、遅刻だ! 授業に!