「苦労するねー、万年片想いな凪くんにとっては」


「万年は余計だ」




そのとおりだから、否定はできないけど。

全然、気づいてくんねぇから。



直接言ったところで、ちゃんとわかってくれないのは目に見えているし、

わかったとしても断られるのがおちだ。



はーっ、と長く重いため息をついたとき。




「凪くん、いる?」




うしろのドアのほうで、落ち着いたサト先輩の声が聞こえた。




「あー……行ってくるわ」


「おー」