ああやって迫ったのは、心愛の反応を見てみたかっただけだ。
やっぱり言葉ではなく行動なら、ちゃんと意識してくれるみたいでよかった。
意識されなかったら、
俺は男としてすら心愛に認識されていないってことになるから。
「つーかさぁ、ほんとに心愛ちゃんって天然なんだな。とくに恋愛に関しては」
「理解力がないだけだろ」
というか……
無意識に自分の中から恋愛を除外してるんだと思う、あれは。
今朝いっしょに通学路を歩いていても、昨日のことはもう気にしていない……
っていうか、忘れてるみたいだったし。
残念ながら心愛の恋愛対象になるには、もっと努力しないといけないらしい。
心愛が恋愛というものをわかっていないんだから仕方ない。