「……いいわ。私は私で、凪くんをどきどきさせてあげる」
カフェに入ったとき、サト先輩は挑戦的に笑って、俺の耳元でささやいてきた。
そんなの、無理だろ。
俺の眼中には心愛しかいないんだから。
だからこそちょっとだけ、心愛に意地悪しようと思う。
「いきましょ、凪くん」
俺の右手をとって、空いている席へと向かうサト先輩。
さっきまでちょっといやそうだったのに、なんか楽しそうだし。
窓際の席についてオーダーしたあと、俺は「あ」と思い出して、向かいの先輩を見た。
「そうだ、先輩。ペットのことなんですけど」
「凪くんの選ぶ、心愛ちゃんみたいな小動物は飼わないわよ」

