小さな柵のそばで眠っている子犬をなでながら、俺を見上げるサト先輩。 「動物嫌いの兄が家を出たの。前から母がなにか飼いたいって言ってたから、それを機にね」 「そのペットを、俺が決めていいものなんですか?」 「ええ。凪くんはどんな動物が好きなの?」 ほんとにいいわけ? なんの関係もない俺が選ぶの? っていうか、どんな動物が好きって聞かれても……。 「俺は……小動物が好きですね」 「小動物?」 「そう。心愛みたいな」 ポメラニアンを柵の中にもどした俺は、ちょっとほほ笑んでそう答えた。