そしてそっと、口を開く。 出てくるのはもちろん、まっかな嘘だ。 「そう、だよ……」 ――ちがうよ。 「もう、私、凪くんといっしょにいたくないから……」 ――気づいてよ。 「だからもう……話しかけて、こないで」 私のことなんでもわかってるなら、気づいて…… 心の中で何度気持ちを伝えても、凪くんに届くはずないのに。 嘘をつきながら、強く願っている私は、すごくわがままだ。