「いままで……そんなふうに考えてたわけ?」 「…………」 「答えろよ、心愛」 黙っていると、降りかかる冷たい雨みたいな凪くんの声。 怖くて、悲しくて、体が委縮する。 凪くんが私の名前を呼ぶの、とっても好きだったはずなのに。 こんなに冷たく、“心愛”って言われたくない。 ちがうよ。って。 素直にそばにいたいって、言えたらいいのに。 ぐっと唇をかんで、つかまれている手がふるえないように、せいいっぱいこらえた。