心愛はそれに、おどろいた表情をみせる。 さっきと同じ表情。 そしてゆっくりと、俺を見あげた。 「そっか……。サト先輩だったんだね」 確信した声でそう言って、心愛は小さくほほ笑んだ。 それが悲しそうな笑顔に見えて。 心愛……? 俺がそう名前を呼ぼうとした瞬間、心愛は「さき帰ってるね!」と廊下を走って行った。 まるで、 俺から逃げるみたいに。 ・ ・ * ・