「……やっぱり、幼なじみの子のところにいたのね。いつもいっしょに帰ってるんでしょ?」
サト先輩は心愛を一瞥すると、少し表情をかためて冷たく言った。
気に入らないのか知らないけど、そういう顔をされるとこっちもムッとする。
心愛の前で態度に出さないでほしい。
「そうです。だから用があるなら、明日にしてもらえませんか?」
「ねえ。今日くらい、私と帰ってくれてもいいんじゃない?
……ほら、デートの話もしたいしね」
俺の言葉なんてまるで聞いていない。
サト先輩は、やわらかい笑みを俺に向けてきた。
デート。
わざと口に出されたであろうその単語にいちばん反応したのは、
となりにいる心愛だった。

