栗原くんの表情が、一気に曇る。
なんだか、栗原くんじゃない人みたい。
私の知っている栗原くんは……いつも笑っている男の子なのに。
「すげーばかだよね、俺。ヒーローきどって、悪化させてんだよ。
どうにかして止めようとはしたんだけど、けっきょく俺は大事な幼なじみを救えなかった」
自分をあざけるような口調だったけれど、その声は小さくふるえているように聞こえた。
すごく、悔やんでるんだってわかった。
それと同時に、どれだけソラさんのことを大切に想っていたのかも。
「けど、そのあとソラへのいじめはやんだ。皮肉なことに、止めてくれたやつはソラの好きな男でさ。
そのときの生徒会長だった男なんだけど、それをきっかけにふたりはつき合い始めたんだよ」
めでたし、めでたし。
妙に明るく、そして早口でそう言った栗原くんは、笑いながらすっと立ち上がった。

