「いるよ。で、俺の初恋の女の子なの。ソラっていうんだけど」
真っ青な空を見上げたまま、さみしそうに言った栗原くんの言葉は、風に流されていく。
けれどとなりにいた私は、しっかりとそれを聞いていた。
「初恋の……」
「そ。でもね、ソラは俺のこと、幼なじみだとしか思ってなかった」
「え……」
「ほかの男のことが好きだったんだよ」
それって、栗原くんの片想いだった、ってことだよね……?
恋とか、そういうものは私には無縁だから、なんだか聞いていると不思議な気分になる。
レミちゃんも恋バナが大好きだけど、私はあくまで話を聞いてるだけだったもんなぁ。
男の子の恋の話をきくのは初めてだけれど、
これは幸せな恋の話じゃないってわかる。
栗原くんの顔が、そう言ってるから。
「俺とソラは、中学んとき、幼なじみとしていつもいっしょにいたんだよ。まあ、お互いよき理解者だったからね。
……そしたら、ソラにも心愛ちゃんみたいに呼び出しされることが何度かあってさ……」

