思いすごしじゃ、なかったんだ。
栗原くんはわざと、舞香ちゃんのことを怒らせていたんだ。
どうして、そんなことするの?
悲しい気持ちで栗原くんを見ていると、栗原くんは私の頬に手をやった。
「だって、ほら。舞香ちゃんがそばで警戒してると、心愛ちゃんに近づけないじゃん」
「ち、ちかづきたい……の?」
「当たり前でしょ? 俺、心愛ちゃんのこと好きなんだから」
ささやくように、耳元で小さくそう言う栗原くん。
耳元にかかる息がくすぐったくて、びくっとする。
「栗原くんっ……こ、こんなに近いと、こまるよ……」
「怖がらないで? ってゆーか、そういう顔されるともっとこまらせたくなるな」

