うわ、あいつ! ほんっとなにもわかってねぇ! 「あのね、先生からプリントあずかってきたの」 「ああ、ありがと。心愛ちゃんは優しいね」 笑顔で心愛の頭をなでようとする栗原の手を、俺はすかさずはらい落とした。 油断も隙もねーやつっ。 そして心愛はその逆だし! 「あっ、栗原くん。唇きれてるよ」 心愛は自分の唇を指さし、小さく首をかしげて栗原にそう言った。 そのあと、なぜか「あれ?」と不思議そうな声を出す。