「そうやって人を試すの、よくないと思う」
持っていたスリッパを履きなおして、椅子に座る。
あたしの好きな男子のタイプリストに、“嘘をつかない人”っていうのも追加しておこう。
「どーせあたしはカワイクないですよー…」
ゴキブリなんて全然こわくないし。
虫だって、たいていのものは素手でいけるし!
…何自慢よ、それ。
「はぁー…」
深いため息をつくと
「まぁまぁ、そんな周防をいいって言ってくれる奴も、絶対いるって」
今更遅い、田中のフォロー。
「いいよ、どうせカワイクないですよ、女子力0ですよ」
「そんな僻むなって…」
苦笑いの田中。
「周防、顔はカワイイんだし。
おまえがその気になったら、彼氏なんてすぐ出来るんじゃん?」
「いいから、そーいうの…」
あー…
あたしに彼氏ができるのは、いつの日になるのでしょーか…