茫然とするあたしと田中の前に現れたのは
「おい花凛…また光に頼ってんじゃねーよ」
息を切らした楢崎くんだった。
花凛ちゃんが慌てて、田中の後ろに隠れる。
「…タツ、何があった?」
田中が冷静な声でそう聞くけど
「光には関係ない。花凛こっち来いよ」
楢崎くんは隠れる花凛ちゃんを無理やり引っ張ろうとする。
「ちょっ…やだ!やめてよ!!」
「おいタツやめろ!落ち着け!」
田中がそんな楢崎くんを花凛ちゃんから引き剥がして
「おまえはいっつも強引なんだよ。
大体、花凛にあのこと、ちゃんと謝ったわけ?」
突然の修羅場に、あたしはただ立ち尽くすことしかできない。
あのこと…?



