一緒に家を出て、同じ学校の人に会ったらどうしようって思ったけど、意外に会わなくて安心した。
歩きながらする会話は、いつも通りの他愛ないものだけど。
眠たそうに隣を歩く田中が、なんだか新鮮だ。
「まっどかチャ~ン!おっはよ~ん♪」
しかし、もう少しで学校…というところで
この幸せな時間をブチ壊しにやって来たチャラ男が約一名。
「あ、田中クンもおっはよ~♪
ご一緒に登校ですか~??」
あたしを挟んで歩く田中にも、ついでとばかりヒラヒラ手を振る瀬名晴人。
「…よぉ」
田中はなんだか嫌そうな表情。
「っていうか!教えてよ~!!
びっくりしたよ~!まさか二人が同棲してたなんて~!」
「ちょっと!声でかい!!!」
慌てて瀬名晴人の口をおさえた。
誰かに聞かれたらどうすんのバカ!!