「田中のバカーッ!
田中のせいでチュー見逃したじゃんっ!!」
「いてっ叩くなよ!?」
思わず、近くにあったクッションで田中を攻撃。
「いーじゃん別に、キスシーンなんて…どうせ演技だし」
怠そうにそんな事を言い放つ田中を更に攻撃。
「お前なっ!やめろよ!?」
「田中が夢のないこと言うからでしょー!?」
「だって事実じゃん」
「事実とか演技かなんてどーでもいいのっ!
女の子はキュンキュンするんだから!!」
「…ふーん」
まだ納得してなさそうな田中。
「田中もたまにはドラマとか見て、女心学んだ方がいいよっ!!」
「…別に、学びたくもねーな。バカらし」
田中は素っ気なくそう言い放つと、ソファから立ち上がった。
「俺課題やるし、周防風呂洗っといて」
「えー?何であたしが」
「…明日から毎日お前が晩飯作るか?」
「喜んで洗わせて頂きます」
得意料理がおにぎりのあたしは、料理上手な田中に頭が上がらない。
田中のくせに…
料理は上手だ。