“なんだかんだ、まどかって全然話してくれないなと思ってさ”
…そんなつもりはなかった。
でも、確かにそうだったかもしれない。
ゴミ袋を運びながら、そんなことを考える。
…田中との同居生活のことだって、本当は話すつもりだった。
田中には止められてたけど、二人は親友だし。言いふらしたりも絶対しないだろうって思ったから。…面白がるとは、思ったけど。
なのに話さなかったのは。
二人を信用してない、とかじゃ全然なくて。
…単なるあたしのワガママだ。
あたしはもしかすると、心のどこかで
田中との同居生活を二人きりの秘密にしておきたいって…
そう思ってたのかもしれない。
田中と、同じ秘密を持ってることが
…嬉しかったのかもしれない。