「だからお前は隙だらけなんだよ、何回言わせる気?」
「だって…友達いないって言うからさぁ、可哀想だし」
まぁ、一緒に帰るくらいなら。
別に支障は…
「…はぁ~~…」
すると、聞いたこともないような物凄く深いため息をつかれた。
「ちょっと、何」
「何じゃねーよ。何だそれ。
友達になりたかったら、あんなことしねーだろ」
あんなこと、っていうのは…たぶんキスのことなんだろうけど。
「そうかもしれないけど…大丈夫だよ、今日だけだし!じゃぁ…」
カバンを持って、教室を出ていこうとしたら
「行くなよ」
手首をつかまれ、止められる。
いつになく険しい田中の目。
…つかまれたところが熱い。
…やめてよ。
そういうことするから
「俺は周防が心配なんだよ」
いつも、心のどこかで期待しちゃうの。



