顔をあげると、いつも通りニヤニヤとした瀬名晴人。





「…ヒマじゃない」




「アハ、嘘ジャ~ン☆」




なんで!?





「ちょっと、それどういう意味!?」



「だって暇そうな顔してるもん、まどかチャン」





失礼な奴!





…まぁ、実際、たまたま、偶然!?今日は暇だけど!?




この危険分子と放課後一緒、なんて絶対嫌。






「とにかく、あたし今日は忙しいのでお断りします」





すると突然、無言になった瀬名晴人。




これでやっと引き下がってくれる?と視線をやると







「!?」







なぜかそこには今にも泣きだしそうな奴が……!!







「えぇ!?ちょっとどうしたの!?」




「俺…実は、まだ全然、友達できてないんだ」




「そうなの!?」





チャラくて無駄にフレンドリーに見える瀬名晴人。




友達づくりには苦労しなさそうに見えるのに…意外だ。







「だからまどかチャンと友達になりたくて…でも…やっぱり嫌、だよね…こんなにイケメンすぎる俺なんて…

まどかチャンの平凡な顔が際立っちゃうもんネ…」





おいコラ。




さっきまでのちょっと同情してたあたしを返せー!!







「だから…いいよ…今日も一人寂しく、帰るから……」





だけど、そう言って教室を出ていこうとする瀬名晴人の背中はなんだかすごく悲しそうに…見えてしまって。





「…あ~もう!わかった!一緒に帰るくらいならいいよ別に!!」