「周防」
そんな決意を固めていると、田中の低い声がふってきた。
「…もうアイツに近づくなよ」
痛いくらい真剣な田中の瞳。
「う、うん…わかった」
あたしだって近づきたくない。何されるか分かったもんじゃないし。
すると、ハァッとため息をついて、田中があたしの腕から手をはなした。
「隙見せんなよ。おまえいっつも隙だらけなんだよ」
「え！？あたしがいつっ」
「いつもだっつーの。
自覚しろ、バカ！」
「痛っ」
そしてあたしの額を小突くと、不機嫌そうに自分の席に歩いていく田中。
…そんなイライラするほど隙だらけなのかな、あたし…。
