田中は差し出された右手を少しの間見つめていたけど




「断る」




あっちゃ〜、と瀬名晴人が大袈裟に肩をすくめた。





「戻るぞ周防」



「え、うん…」





田中に腕をつかまれて、引っ張られるように教室の中に入る。




ドアが閉まる直前、ペロッと舌を出す瀬名晴人が見えた。






…なんなのアイツ、田中と友達になろう、なんて。




もしかしてあたしに変なことしてきたのもただ、友達になりたかっただけ…とか?





いやいや!それにしては限度を超えてる。





絶対、許さないんだから!瀬名晴人!!