よく通る、低い声。 「岩槻先輩…」 涙目の莉恩ちゃんを、グイッと後ろに引っ張って 背中で庇うようにした岩槻くんが、大学生に言う。 「彼女、仕事中ですから」 「はぁ〜?なんだよお前… じゃぁバイト終わる時間教えてよ〜、なら文句ねーだろ?」 そしてヒョイッと莉恩ちゃんを覗き込もうとした大学生を… グッと、岩槻くんが押し返した。 「…無理です。 俺のなんで」