「…というわけなんだよね」




アパートに戻って、田中にその話をすると



「…ふーん」




田中は興味なさそうにドリア(本日の夕飯)をつつきながらそう言った。



って。



「ふーんって何!?
そんな他人事みたいにっ…」



「だって他人事だろ?」




いつになく冷たい田中。





「そうだけどっ…」




でも、どうしても


…何かあるように思えてならないんだもん。




「俺らがいくら考えたって分かるはずねーし、岩槻の気持ちなんて」




そしてテレビのリモコンに手を伸ばす田中…



「っておい、返せリモコン」



「田中、岩槻くんの親友じゃないの!?」




リモコンを取り上げると、田中は面倒くさそうにため息をついた。




「親友だったら相手が思ってること全部分かるのかよ?」



「…全部は無理だけど…ちょっとくらいなら」



「…ったく」




あたしからリモコンを取り返すことを諦め、再びドリアを食べるのを再開させる田中。




「だいたい、周防がいくら気にしたって意味ないだろ?
こーいうのは本人達の問題なんだから」



「そうだけどさー…」




「ごちそーさん。じゃ後片付けよろしく」




「え!?」





あたしが頭を悩ませてる間にドリアを食べ終えていたらしい田中は、サッサと席を立つとリビングのソファで雑誌をめくり始めた。





「もうー…」





もうちょっと一緒に考えてくれたっていいじゃんか!