「この服かわい~♪」
「可愛いけど…8000円!?たっか」
田中とラーメン屋さんに行ってから一週間ほどたった日の、放課後。
あたしは友梨と小夏と、駅前のショッピングモールに来ていた。
「うーん…でもなぁ、今度遊園地デートだし。奮発しちゃおうかなぁ♪」
そんなことを言いながらワンピースを手に取る友梨は、とっても楽しそう。
「小夏も、今度彼氏と映画みに行くんでしょ?その時の服買ったの?」
「まだー。最近新しい服買ってないから、欲しいとは思ってるんだけどね」
「あっじゃぁコレとかどう!?小夏に似合いそう!」
「…二人とも、楽しそうですなぁ~…」
キャピキャピしながら楽しそうに洋服を選ぶ二人を、あたしは人生を達観した老人のような瞳で見ていた。
「…誰よあんた。
まどかも買えばいいじゃん、服!」
静かに微笑むあたしに、手に持っていたタイトスカートを押し付ける友梨。
「あたしはどうせ服なんか買っても、お二人のように彼氏と外出する予定もございませんしねぇ~…」
あぁ…二人が羨ましい。羨ましいぞ、彼氏もち!
「じゃぁどっか行けばいいじゃん、田中と」



