田中のくせに!!





「あ、あの…お二人は、岩槻先輩のお友達なんですよね?」



岩槻“先輩”ってことは、一年生なのかな。




「そうだよー、クラス一緒なんだ」



「わぁ、そうなんですか…!
すごく仲良さそうだったので、そうかなって…!」



パァッと目を輝かせる店員さん。



なんだか可愛い。




「店員さんは…えっと、名前」



「あ…!あたし、沖野莉恩(オキノリオン)っていいます!」




そしてバッと音が聞こえてきそうな勢いで頭をさげる。




「あはは、そんなに頭下げなくても…。

あたしは周防まどか!

…で、こっちが岩槻くんの自称親友の田中!」



「なんだその紹介」




それまで興味なさそうに立っていただけだった田中が、ジットリ横目で睨んでくるが




「よろしくね、莉恩ちゃん!」




無視して、莉恩ちゃんに右手を差し出した。