「田中ー!」



「んー?」




ある日学校から帰ると、田中がソファに座ってチラシを見ていた。



そしてブツブツ呟いている。





「…大根、安いな…」




…将来は優秀なお嫁さんになりそう。




あたしはカバンを置いて、そんな田中に話しかける。




「今日の夕飯!ラーメン食べいこう!」



「ラーメン?」




チラシから視線を外さないまま、眉を寄せる田中。





「やだよ。
外食とか、経済的じゃない」




そして次は赤ペンを持ち、「たまご…1パック98円…か…」と印をつけている。





「いいじゃん!たまには!
最近新しくオープンしたラーメン屋さん、すっごくおいしいって評判なんだよ!」



「ふーん…」




適当な相槌をうちつつ、田中のチラシをチェックする手は休まることを知らない。




…なかなか強敵だ…!!