ずっと前から、一緒にいた田中と花凛ちゃんと、楢崎くん。
ずっと花凛ちゃんを想い続けてきた田中。
そんな花凛ちゃんが、自分の幼なじみと付き合いはじめた時…田中はどんな気持ちだったのか。
いくら考えたって分かるはずないけど。
だけど、思わず考えてしまう。
「…光はずっと花凛のことばっか見てた」
しみじみと、思いふけるように旭さんが言う。
その言葉が、ズシンと重みをまして、あたしの心に沈む。
「…だから、びっくりしたよ」
俯いていたあたしの頭に、旭さんがポンッと手をのせた。
「はじめて光が、花凛以外の女の子を見てたから」
「…え?」
意味がわからなくて、顔をあげると
旭さんのいたずらっ子みたいな瞳と、ぶつかった。



