「あいつ、まだそんなこと言ってんのかぁ」
旭さんが呆れたように言って、サイダーをゴクッと一口飲む。
「花凛とタツが付き合って、結構経つっていうのに」
「でも…しょうがないですよ」
諦めたいっていう気持ちだけで、
簡単に割り切れるものじゃない。
割り切れたら…楽だけど。
どこかで、好きっていう気持ちを…なくしたくない自分もいる。
だって、あたしも、そうだから。
「…だな」
あたしの、そんな思いを読み取ってくれたのか。
旭さんは少しだけ微笑んで、また一口、サイダーを飲んだ。
「あのー…」
こんなこと、田中がいない所で聞くべきじゃないのかもしれない。
でも、やっぱり気になる。
「田中って、いつから花凛ちゃんのことが…?」
「ん?あぁー…まぁ、俺も光の口からハッキリ聞いたわけじゃないから、確かなことは分からないけど。
でも、俺がたぶんそうだろうなって何となく感じはじめたのは、光が中1くらいの時かな」
「…そうですか」
そんなに、前から。
「まぁ、昔っからアイツの周りに女子っていえば、花凛しかいなかったし。
アイツも花凛しか見えてなかったし。タツもだけど」
旭さんは花凛ちゃんはもちろん、楢崎くんのこともよく知っているらしい。



