「…悪かったって」
バツの悪そうな顔で、田中があたしの前に紅茶が入ったマグカップを置く。
「…あたし紅茶よりもココアが好きなんだけど」
「へぇー…」
「…っていうかわざと!?」
「はぁ!?なわけないだろっ!!
まだ出てこないと思ったんだよ!!」
必死に弁明する田中。
ふーん…
「ほんとに?」
「ホントだよ!!
言っとくけどなぁ」
そして真剣な顔であたしを見つめる。
「お前の裸とか全っ然、1ミリも興味ないから」
「………へぇ」
…そんな真顔で言われるとなんかムカつく。
興味あるとか言われても困るけどさ!!
「…いつまでもそんな落ち込んでんなよ」
ムカムカしながら紅茶をすするあたしを、どうやら落ち込んでいると思ったらしい田中。
「お前の裸なんて、そんな価値のあるもんじゃないだろ?」
「……はぁあ!?」
思わず、紅茶をぶっかけたくなる衝動に襲われた。
「人の裸見といて何それ!?」
「何それって…思ったことそのまま言っただけだけど」
「言っとくけどねぇ!価値ある人には価値ありますから!!」
「…ふーん。例えば?」
そしてマグカップ片手に、余裕綽々な表情であたしを見つめる田中。
「…っうるさい!もう寝る!!」
田中のくせに!超ムカつく!!!