田中のくせに!!






「…は?なにおまえ、この子と同じ高校?」



少し後ろの方にいた金髪の男子が、田中を睨む。



…3人の中では一番ガラが悪そう。




しかしそんな金髪にも、田中は強気の姿勢を崩さない。





「そうだけど?

てか修旅中に他校ナンパすんな」




「はー?うるせーし」





金髪くんがグイッと田中の胸倉をつかむ。





睨み合う田中vs.金髪





…田中が勝てる気が



1ミリもしない……!!





「ちょっと田中から手、はなしてっ…!」




思わず飛び出して、田中に加勢しようとした、その時





「コラーーーッ!
何やっとる、お前らっ!!!」




「げっ、山崎だ」




はじめにあたしに声をかけた男子が、突然道路の反対側から怒鳴ってきたおじさんに顔をしかめた。



どうやらこの人達の、学校の先生らしい。



しかもすっごく怖そう…絶対生徒指導だ!




「おい平沢、行こうぜ!」



そして金髪にそう声をかける。



金髪はチッと舌打ちをした後、乱暴に田中から手をはなして





「山崎のハーゲ!!!」




そんな暴言を吐きながら、ダッシュで走り出した。





「なんだとコラーッ!!!」




鬼の形相の山崎先生(?)が、こっちに向かってすごい勢いで走ってくる。




こ、怖すぎる…!!





すると田中がパシッとあたしの手をつかんで






「行くぞ…!」





金髪たちとは逆方向に、走り出した。





ええ!?