田中のくせに!!






田中がトイレから戻ってきてもまだあたしのお土産は決まらず、呆れ顔の田中はゴーヤのキーホルダーとともに、別のコーナーに行ってしまった。




だって決められないんだもん。



このご当地キティちゃんと、こっちのご当地キティちゃん、どっちがいいか…!!!




「田中っ…」




振り向いて、田中に相談を求めようとしたその時。




「…っ」



思わずすぐに前を向いた。




だって、田中は楽しそうに話していたから。



…花凛ちゃんと。




チラリと、もう一度少しはなれたお菓子コーナーにいる田中と花凛ちゃんを見る。





…相変わらず花凛ちゃんはすごく可愛い。




楢崎くんは、いないのかな…。






…田中、あたしのことなんてちっとも、気付かないし。




…なに話してるんだろう。すごく楽しそう。






…田中ってあんな顔して、笑ってたっけ…