「何すんだよ、いてーな！」
振り払われた手をかばい、顔をしかめる田中。
他の班のメンバーが、何事かとあたし達を見る。
「ご、ごめん！」
無意識だけど思いっきり叩いちゃったから、田中は相当痛かったはず…！
「ちょっとちょっと田中ー、まどかにセクハラしないでくれる？」
田中と反対側の隣に座る友梨が、そう言ってあたしに抱き着く。
「はぁ？セクハラなんてしてねーよ！」
「…ご、ごめん皆…あたしちょっとトイレ！！」
「あ、まどかー？」
ガタッと席を立って、あたしはトイレに逃げた。
さっきまではただ、楽しみだった修学旅行。
でもやっぱりちょっと、
不安かも…。
