「…え、だから…」



「違うよ。田中は全然、わかってない。


あたしが怒ったのは…」




まっすぐ、田中を見つめる。



田中がキョトン、とした顔であたしを見てる。





…この鈍感。





「……あたし、田中のこと……」



~~♪




そんなあたしを遮るようにして、鳴ったのは田中のスマホ。





「…あ…ごめん」



「い、いいよ出て?」





田中はちょっと申し訳なさそうにしながらも、ソファを立って電話に出た。





「もしもし、花凛?」