「だから今日は大変だよ、学校中の女子が殺到しちゃって」
「あー、どうりで…」
チラリと、小夏が岩槻くんを見る。
岩槻くんの周りには、いつもの倍くらいの人数の女子。
そしてその真ん中で、魂が抜けたようにポケーッとしている岩槻くん。
「…大丈夫かなぁ、岩槻くん」
「…ふーん、意外と普通なんだ?」
「え?」
なんだか意味深な笑みを浮かべている小夏。
「もっと騒ぐと思ったのになー、
だって岩槻くんを狙う大チャンスじゃん?」
「あのねー…岩槻くんがあんな落ち込んでるのに、そんなこと…」
…でも、確かに
あたし、前よりは岩槻くん見ても騒がなくなったかも。
前はもっと、岩槻くんの一挙一動に、ときめいてたっていうか…
「それはー、他にときめく人が出来たってことじゃない?」



