「…もしもし…なんだよ、花凛」
…花凛ちゃん!?
思わず、床にベターッとつけていた上半身を起こす。
「…あー…うん、わかったよ聞いてるから。…うん…うん」
田中は電話したまま、自分の部屋に消えた。
…別に、ここで電話すればいいのに。
あたしはコップに入ったミネラルウォーターをゴクゴクの飲み干す。
しばらくして、電話を終えた田中が出てきた。
「…電話、花凛ちゃん?」
「え?あー…うん、そう」
素っ気なく返事して、ソファに腰掛ける田中。
「…な、なんて?」
「…別に周防に関係ない」
…は?
思わず凝視するあたしの視線になんて気付かずに、ピコピコとリモコンをいじっている田中。