「…今日食べたやつ?」
顔をあげた田中が
「あー、なるほど」
納得したように頷いた。
「今日、三浦さん?とデートだったもんな。
どうだった?それで」
「え?あー……
どうだったんだろう…?」
「俺に聞くなよ」
フッと笑う田中。
楽しかったか、
つまらなかったか、って言われたら
楽しかった…よね。
パスタの味はよく分からなかったけど、
映画も見れたし…。
「楽しかったよ」
「…ふーん?」
答えると、なぜか意味深な笑顔を浮かべられた。
「…嘘って思ってる?」
「思ってねーよ。
でも、疲れたーって顔してる」
そして、あたしの顔にティッシュを投げつけてきた。
「ちょっと、突然なに?」
「口。ついてる、トマトソース」
「あー…」
そういえば今日、三浦さんに…
あたしはボンヤリそんな事を思い出しながら、口元のソースを拭った。



