「でも、本当に大人しいんだね、まどかちゃんて♪」



「…は?」




不意に投げかけられた三浦さんの言葉に、思わず間抜な声が出た。




だっていつも“うるさい”とは言われても、“大人しい”なんて言われることはほとんどなかったから。




「そんなこと、ないですけど…」




まぁ確かに三浦さんの前では、うまく話せない。



だって…緊張するんだもん!


こんなに改まって、男の人と二人で会ったことなんて、一回もないし!





「ソース、ついてる」




するとフッと三浦さんがあたしの口元に手をのばして。




「あ、りが…」




お礼を言う暇なんてなく



あっという間にそれを指で拭った三浦さんは、なんとそれをそのまま、自分の口に含んだ。





「………」





あまりのことに茫然として、声も出ないあたし。





「ハハ」




三浦さんが笑った。




「照れてる?」



「……い、え…あの…アリガトウ…ゴザイマス…」




…なんて言ったらいいか分からなくて




なぜか、片言みたいになってしまった。