――夢は良い。夢は私にとってもうひとつの世界なのだから。

こっちの世界で、不安で頭がおかしくなりそうになったときに寝るのだ。そうすれば、私は向こうの世界のどこかに行くことができる。そしてそのときだけは、こっちでどんなに気持ち悪くなっていたとしても、不思議(&幸い)なことに向こうの世界ではそういった感覚が一切消えているのだ。そして、私は正常な思考でその世界を、人物達を認識することができるのだ。

現実逃避と言われるかもしれないが、そんなことは私にとって一向に構わない。

仕方ないのだ。辛いのだから。気持ち悪いのだから。

――それに、私は昔からそうなのだ。夢の中に入っては、まだ見ぬ未知の世界の人達に逢いたい。私の大切な「あの人達」に逢いたいのだ。

きっと「あの人達」に逢えると信じて、もし逢えなかったとしてもまた別の世界で楽しめば良い――