「……秋人くん。秋人くんって言うんだね。よろしくね、秋人くん」

 
私は彼の名前を口にした。
 
――そして、私は彼に最も伝えたいことがある。

「……今の私は未来のことを知ることができないから、もしかしたらいつか何かがあって、秋人くんを拒絶することがあるかもしれない。でも、ひとつだけ言えることがあるの。聞いてくれる? 今ここにいる、この私は、絶対に秋人くんを見捨てない。私は、ずっと一緒にいてあげるからね」


私はそう彼に伝えた。

「……ぅう、うううっ……ぅあああああああ……っ!!」


彼は泣く。今までよりも長く、強く。その声はしっかりと私の耳に届いた。

私は完全に「秋人くんの全てを認める」ことを、自分の胸中に決めた。





――He and I met.
 その日、私と彼は出逢った――。


【END】